●ヨーロッパの風景を、体験やアイデアを活かして。

 写真から描く水彩画
 やさしい 人物のいる風景

 柴田光枝著 B5変・95頁 定価2,100円 ISBN4-8170-3372-X

  旅で一番心に残るのは、名所旧跡や自然よりも、現地の人々と心が通
 い合った時の喜びだ。スケッチをしていた時に、それを見ていた可愛い
 少女が道ばたの花を摘んで花束を作ってくれた。うれしかった。
  人物が点景として描かれると、単なる風景から豊かな情景になる。フ
 ランスやドイツ、スペイン、ギリシャなどでの作例をふんだんに用い、
 写真の撮り方、用い方、描き方を親切に解きほぐす。
  著者は思い切ってデジタルカメラを買った。フィルムカメラの場合は、
 たくさん撮っても、使うのは少しだけ。無駄になることが多い。デジタ
 ルは、いらない画面を直ぐに消すことができる。
  写真は、前景にアクセントを入れて撮ると奥行きが出て絵になる。花
 や木の枝、建物の部分などを、下部や左右の端、上部のどこかに入れる。
 人物には必ず陰影をつける。近景・中景・遠景の人物描法、透視図法も
 実景にそって図解した。
  写真からの全般的な描き方にも、経験から得たアイデアがそこここに
 活かされた。写真から描くといっても、大切なのはその場で受けた感動
 や思い出だ。写真はその感動を思いおこす材料に過ぎない。
 ●主な目次 1 人を撮る・描く 人を入れて撮ってみよう/点景
 として人を入れる/絵になる写真を撮ろう/人を描いてみよう/
 影を忘れずに/透視法/人物写真をスクラップ 2 写真から描く
 画材/下絵は何で描く/彩色の基本は手前から/はじめは薄く塗
 る/筆による表現/実際の制作の流れ 3 ギャラリー

 ●しばた・みつえ 1991年より東京銀座などで個展13回。近畿日
 本ツーリスト・カルチャースクール青山教室講師。NHK美術部
 タイトル室に勤務した。女子美術大学卒業、東京都出身。