●さまざまな場面を表現した詩句450などを集めた。

 画賛のすすめ 増補新装版

 高橋廣峰著 B5・167頁 定価3,150円 ISBN4-8170-3374-6

  絵にこめた自分の気持ちをうまく表現でき、それをしるすことができ
 れば、その作品は豊かなものになる。水墨画には、詩書画篆刻は一体と
 いうこともあり、ご承知のとおり古くからおこなわれてきた。
  初心者が自分で描いた水墨画に賛を入れる際、言葉を本書で選べる。
 四季の山水画や、蘭竹菊梅の四君子、松の絵にふさわしい詩句450が集め
 られた。漢字二字から七言絶句までの句や詩で、その読みと共に掲げた。
  例えば、このような賛だ。春では、「祥雲」めでたい雲、「萬里春」萬
 里の春、春が天下にあまねくこと。夏には「柳結濃陰」柳、濃陰を結ぶ、
 柳の枝が茂り、濃い木陰を作っている。秋、「千峰黄葉村」山々のふとこ
 ろに黄葉の美しい村がある。「樹樹皆秋色、山山惟落暉」樹々には秋色が
 満ち、山々は夕陽に映えている。
  これに、楷行草や隷書の書作例80点と、著者や著者以外の水墨画に賛
 をした60例を見ることができる。
  1984年初版刊行書の一部を差し替え、20頁分を増補した。
 ●主な目次 南画の変遷と現代作家 四季山水篇 春夏秋冬 四君子・
 松篇 蘭竹菊梅松

 ●たかはし・こうほう 大東文化大学、台湾・中国文化学院大学卒業。
 文学博士(中国書画学)。書画篆刻研究日本書人会・日本水墨画会会長。
 台湾・中国などとの書画交流、教育研究に尽くした。中国・国立南京大
 学、国立蘇州大学書画芸術兼職教授。日展入選。北京師範大学、西冷印
 社、台北国父記念館、オックスフォード大学、ロサンゼルス市などに作
 品収蔵。1947年岐阜県生まれ。2000年中国・南京で客死。