構えないで、まずは気楽に、こうして始めてしまおう。

はがきで楽しむ
手軽に描く水彩スケッチ

久山一枝著 A5・127頁 定価1,680円 ISBN4-8170-3391-6

 題材は、描き方は、道具は、こうしなくてはいけない。絵を始
めるにはかたぐるしいものを感じている向きがあるかも知れない。
が、もっと気軽に、まずは一歩踏み出してみよう。
最も小さいはがき画面が、手っ取り早い。絵の具は子供の使っ
ているものでもよいし、なければ12色の最も色数の少ないのでい
い。混色すれば、色の幅はぐっと広がる。2色だけで、こんなに
も表現できると、作例が出てくる。出かける時は、用具は、ポケ
ットのたくさん付いたベストなら、全部はいってしまう。
まず一本の木から描いていく。次に二本、三本と増やしていき、
背景を入れ、部分にも目を向け、モチーフを絞って描く方法がい
いのではないか。
山、高原、田園、海、漁村、川、渓流、湖沼、民家、そして雪
景色。鉛筆などの線描も最少限度に押さえ、淡彩
を施す。風が吹き抜ける爽やかな作例をもとに、短い説明で、贅
沢な豊かな時間を過ごしてみませんかと誘う。
●主な目次 @まずは手軽に描いてみましょう 1 ポケットにも
入る用具一式 2 景色を切り取って簡単スケッチ 3 色の効果
的な使い方 A画面構成についてちょっと考えてみましょう 1
どこを切り取るか? それが問題 2 紙の地を生かすことも大切
Bもっと素敵な絵にするために 1 いろいろな紙に描いてみよ
う 2 イメージ重視の作品づくりに挑戦
●くやま・かずえ。新水墨画協会を主宰し「游々展」「日本の美し
い自然展」を毎年開催。岩上青稜師に水墨画を学ぶ。パルコ・毎
日新聞カルチャーシティー講師。1994年日本クラフト展で日本ク
ラフト賞。67年東京芸大卒業、69年同大学院彫金科修了。清水市
出身。